この記事で分かること
プラットフォーム型EC事業の立ち上げを検討されている担当者の皆さま、
- ECプラットフォームには「ECモール」と「マーケットプレイス」の2つがあるみたいだけど、何が違うのかよくわからない
- 「ECモール」と「マーケットプレイス」のどちらを自社事業として展開すべきか判断できない
のようなお悩みはありませんか?
この記事では、100件以上のECプラットフォーム立ち上げに関わってきたプロの立場から、両者の特徴と違いを徹底的に解説し、あなたの事業戦略に最適なプラットフォーム選択をサポートします。
<プロフィール>
- 株式会社メクマの共同創業者
- 「CS-Cart for ECモール & マーケットプレイス」の開発責任者
- マッチングサイト構築パッケージ「mekuma」の開発責任者
- 「【プロが徹底解説】失敗しないECモール / マーケットプレイスの作り方」の著者
- CS-Cartとmekumaを通じて、100件以上のECプラットフォーム立ち上げに関わる
ECモールとマーケットプレイスの主な違い
「複数の売り手が登録した商品を購入できるプラットフォーム」という意味では、ECモールもマーケットプレイスも同じです。それでは、いったい何が違うのでしょうか?
ECモールとマーケットプレイスの主な違いは、
- ユーザーが売り手の存在を意識するか
- 売り手がプラットフォームから与えられる裁量の大きさ
の2点です。
ECモール | マーケットプレイス | |
売り手の位置づけ | ||
売り手によるデザイン調整 | ある程度可能 | できない |
売り手独自の割引キャンペーン | できる場合あり | できない |
買い手からの商品代金直接受け取り | できる場合あり | できない |
売り手専用のショップページ | あり | なし |
プラットフォーム運営者の主な収益源 | 出店料、取引手数料、広告費 | 取引手数料 |
代表的なプラットフォーム | 楽天市場、ZOZOTOWN | Amazonマーケットプレイス、メルカリ |
ここからは、ECモールとマーケットプレイス、それぞれの特徴について解説していきます。
ECモール : 出店者のブランド・個性を活かしたプラットフォームをお考えの方に
ECモールでは、売り手は「出店者、テナント」としてモール内にショップを「出店」します。
施設内に各テナントのショップが入居している、デパートやモールといった大型商業施設に近いイメージであり、楽天市場やPaypayモール、ZOZOTOWNなどがECモールの代表的な存在です。
ユーザーは売り手の存在を意識しやすい
各テナント毎のショップページが用意され、独自ECサイトほどではないものの、ある程度個性を活かしたページ作りができます。
そのため、ECモールで商品を購入する場合は、「ZOZOTOWNのXXXというストアで買った」というように、ユーザーはプラットフォームだけでなく売り手であるショップの存在も意識する割合が高くなります。
売り手に与えられる裁量が大きい
また、独自の割引キャンペーン展開や、テナントによる購入者からの商品代金直接受け取りを許可するプラットフォームもあるなど、マーケットプレイスと比較して売り手に与えられる裁量が大きいことも大きな特徴です。
プラットフォームの運営者は、売上に応じて徴収する取引手数料に加え、モールに出店するための出店費用をテナントから徴収するケースが多く、比較的売上が安定しやすい傾向があります。
一方で、各テナントに対して手厚いサポートを提供する必要があるため、プラットフォーム運営に十分な人的リソースを割り当てることが必要となるビジネスモデルでもあります。
ECモールの主な特徴
ECモール | マーケットプレイス | |
売り手の位置づけ | 出店者、テナント | 出品者、セラー |
売り手によるデザイン調整 | ある程度可能 | できない |
売り手独自の割引キャンペーン | できる場合あり | できない |
買い手からの商品代金直接受け取り | できる場合あり | できない |
売り手専用のショップページ | あり | なし |
プラットフォーム運営者の主な収益源 | 出店料、取引手数料、広告費 | 取引手数料 |
代表的なプラットフォーム | 楽天市場、ZOZOTOWN | Amazonマーケットプレイス、メルカリ |
ECモールはこんな事業者様におすすめ!
- テナントの個性・ブランドを活かしたプラットフォームを作りたい
- 各テナントの取り扱い商品数が多い
- ブランド力・販売力のあるテナントを集める営業力がある
- テナントへのきめ細かいサポートを提供するための人員を確保できる
マーケットプレイス : CtoC取引も視野に入れたプラットフォームを目指すなら
マーケットプレイスでは、売り手は「出品者、セラー」として商品を「出品」します。
スーパーマーケットに自らの商品を並べて販売してもらうイメージに近く、Amazonマーケットプレイスやメルカリがマーケットプレイスの代表的な存在です。
売り手の裁量は小さく、ユーザーに意識されづらい
デザインやキャンペーンなどで売り手の個性を出すことはほとんどできません。登録した商品は、プラットフォーム共通のレイアウトで他の売り手の商品と同列に並べられて販売されます。
そのため、マーケットプレイスで商品を購入する場合、「Amazonで買った」「メルカリで買った」という感覚を持つユーザーが大半であり、実際の売り手についてはさほど意識されません。
シンプルな設計で出品のハードルを下げる
プラットフォーム運営者の収益源は、売上に応じて徴収する取引手数料となります。取引が成立しないと収益が発生しないため、シンプルでわかりやすい設計にして出品のハードルを下げ、多くの出品者を集めることが非常に重要です。
一方で、ECモールのように各ショップのブランドを尊重したり、テナントへの手厚いサポートは不要なため、運営者はプラットフォーム自体のブランド構築や集客に注力できます。
マーケットプレイスの主な特徴
ECモール | マーケットプレイス | |
売り手の位置づけ | 出店者、テナント | 出品者、セラー |
売り手によるデザイン調整 | ある程度可能 | できない |
売り手独自の割引キャンペーン | できる場合あり | できない |
買い手からの商品代金直接受け取り | できる場合あり | できない |
売り手専用のショップページ | あり | なし |
プラットフォーム運営者の主な収益源 | 出店料、取引手数料、広告費 | 取引手数料 |
代表的なプラットフォーム | 楽天市場、ZOZOTOWN | Amazonマーケットプレイス、メルカリ |
マーケットプレイスはこんな事業者様におすすめ!
- BtoCだけでなく、CtoCも対象としたプラットフォームを作りたい
- 自身がリーダー的な存在であり、集客もできる分野のECプラットフォームを作りたい
- 各出品者の取り扱い商品数が少なく、単品、スポット販売が多く想定される
- 売り手へのきめ細やかなサポートよりも、プラットフォーム自体のマーケティングに注力して事業を成長させたい
まとめ:ECモールとマーケットプレイス、どちらを選ぶべきか
ここまで「ECモール」と「マーケットプレイス」の特徴と違いについて解説してきました。自社のビジネスとして、どちらのモデルを選択するかを検討する際のポイントは以下のとおりです。
- 取引形態
-
- BtoC中心 → ECモール
- CtoCも含めた幅広い取引を想定 → マーケットプレイス
- 1出品者あたりの取扱商品数
-
- 取扱商品数が多い → ECモール
- 少量・スポット販売 → マーケットプレイス
- 売り手の裁量の大きさ
-
- 各ショップの専用ページなど、テナントの個性・ブランドを活かす機能を提供 → ECモール
- 出品しやすさを重視したシンプルな設計 → マーケットプレイス
- 運営リソース
-
- きめ細かいサポートが可能 → ECモール
- プラットフォーム全体の運営に注力したい → マーケットプレイス
- 収益モデル
-
- 出店料と手数料の組み合わせ → ECモール
- 取引手数料のみ → マーケットプレイス
ビジネスの目標や運営方針によって、最適なモデルは異なります。自社の戦略と市場のニーズを十分に分析し、長期的な成長を見据えて「ECモール」と「マーケットプレイス」のどちらを選択するか判断することが重要です。
また、市場の変化に柔軟に対応できるシステムを採用することも、ビジネスの持続的な成功には不可欠です。システム構築の際には慎重に検討を重ね、貴社のECプラットフォーム事業の成功に最適なソリューションを選択してください。
CS-Cartは、ECモールとマーケットプレイスの双方に対応
この記事で解説したECモールとオンラインマーケットプレイスの違いを踏まえると、それらを構築するためのソリューション選びは事業戦略に大きく影響します。しかし、「CS-Cart for ECモール & マーケットプレイス」を選べば、その選択に悩む必要はありません。
世界で1,500件以上の導入実績を誇るこのシステムは、両方のタイプに対応できる優れた柔軟性を備えています。
その鍵となるのが、ECモールとマーケットプレイスを区別する要素を自在に設定できる柔軟性です:
- 出店手数料や出店プランの有無
- 各テナント(出品者)専用のショップページの有無
- 各テナント(出品者)による独自の割引セール実施権限
- テナント(出品者)ごとの利用規約設定の可否
- 出品時にテナント(出品者)が登録・設定できる商品情報の項目
このような幅広い項目を管理画面から簡単に設定できるため、ECモールでもオンラインマーケットプレイスでも、お客様の構想に忠実なECプラットフォームを構築することが可能です。
さらに、商品・注文管理、顧客管理などの基本機能に加え、テナントの本人確認や売上金の振込など、ECプラットフォーム運営に欠かせない機能を網羅しています。「CS-Cart for ECモール & マーケットプレイス」は、あなたのプラットフォームビジネスを総合的にサポートするオールインワンソリューションです。
ECプラットフォーム事業への新規参入を考えている方も、既存システムの見直しを検討している方も、ビジネスモデルの選択肢を広げ、柔軟な運営を可能にする「CS-Cart for ECモール & マーケットプレイス」をぜひ一度ご覧ください。